
電子タバコやベイパーの長期使用が与える健康面への影響はいまだによく分かっていません。2019年9月にはアメリカの健康機関(Federal and state health authorities)が電子タバコやベイパーがもたらす深刻な肺疾患についての調査を始めるなど安全性の確認が急がれています。
この記事で掲載されている内容は一般的な情報であり、医療機関と患者のような専門的な分野で提供されている情報ではありません。記事内のCBD製品に関する情報は、CBD製品の製造元による健康機能を反映したものではなく、またそのような解釈を意図したものではありません。
ヘルスライン(記事の提供元)はあなたの健康状態を診断したり、最適な治療方法の推奨を行うことはしていません。この記事が提供する情報は医療機関の助言や主治医の診察の代わりとして利用される事を意図していません。診察や治療に関しての決定は医師との相談の上で行うようにしてください。
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概要
あなたはこれまでに「CBD」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。特に慢性的な痛みや心配が続く症状を持っているならなおさらでしょう。
アメリカの各州で医療用大麻、娯楽用大麻がそれぞれ合法化されるようになり、CBDの流行とともに手軽に入手できるようになってきました。多くの宣伝が行われてはいるものの、CBDが何なのか、どう機能するのか、そもそも合法なのか、など明確には分かっていない人が多いのも事実です。
もしCBDに興味があってどう始めてよいかわからないのであればそのガイドラインとしてこの記事でまとめて手軽にご紹介します。そしてCBD製品やその利用におけるよくある誤認識についてもはっきりすることでしょう。
CBDオイルに関するより詳細な記事はコチラ。 ・CBD製品のラベルの読み方:高品質の見分け方 ・CBDオイルの6つの効果と副作用 ・〜随時追加予定〜

CBDって何?
CBDはカンナビジオール(Cannabidiol)のことで、大麻に含まれる活性成分の一つ。一方、テトラヒドロカンナビノール(Tetrahydrocannabinol)と呼ばれるTHCは大麻に含まれる活性成分の一つで、いわゆる麻薬がもたらす影響の原因となる向精神性の特性を持った成分のこと。つまり大麻の違法な部分はこのTHC成分。
CBDは向精神性の特性は持たず、それでいてTHCが持つ医療面で有用な特性を多く持つ成分です。それによりTHCを含有する麻薬に見られるような悪影響を受けずに健康維持に役立つ利点を得ることができるのです。
マリファナ由来のCBD製品やTHCを含有するCBD製品はより強い影響を与えてくれると言われています。(※日本ではTHC入り製品の販売や利用は違法です)しかし、医療用大麻などが合法化されていない州にお住まいの方でも大麻由来のCBD製品でその恩恵を受けられるのです。
CBDは何に効果があるの?
CBDに関するリサーチはそれほど多くありませんが、その研究結果には期待が寄せられています。いくつかの研究ではCBDは下記に挙げるような精神面の健康状態を安定させる影響があるという結果を示しています。
不安症
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
依存症
統合失調症
肉体面にも効果があるとされていて、CBDオイルが関節炎の痛みに効果があるというラットでの研究結果を発表し、CBDクリームが炎症を抑える効果があるという人間細胞での研究結果を示しました。

CBDはどうやって摂取するの?
CBDは様々な形状で取り扱われていて、それぞれのニーズに合わせてその形状を選ぶことができます。以下は主なCBDの形状です。
オイルや液体
CBD入りの液体は主にオイルである場合が多く、スポイトで舌の下側に垂らして摂取します。口内の粘膜は小さな毛細血管が敷き詰められていて成分を素早く吸収してくれます。錠剤の摂取が難しい人にとっても都合の良い選択肢となるでしょう。
クリームやローション
CBD入りクリームは筋肉や関節の痛みに効果的です。また湿疹や乾癬といった肌のコンディションを整えるのことにも効果があります。
カプセルや錠剤
CBDカプセルは全身の発作性疾患や消化器官系の不調に効果的です。アメリカ食品医薬品局はEpidiolexというCBD含有の医薬品が発作性疾患に高い効能を持つ最初のCBD医薬品として認定しました。カプセルの欠点としては、摂取から効果が現れるまで少し時間がかかる点でしょう。
食用品
グミはCBDを摂る方法として人気です。安価で持ち運びやすく一粒ずつ扱えて美味しい。どれだけ服用しているかがはっきり分かる点も利点です。
吸引
蒸発させたCBDオイルを電子タバコのように吸引するのは、効果を試すには一番早い方法でしょう。成分が吸引され肺から血流へと直接吸収されていきます。吸引による摂取が繊細な肺の細胞に害を与えないかについては、はっきりしていないところです。吸引でのCBD摂取を選択する際はご注意を。

どのくらいCBDを摂取するべき?
一般的には少なめの量から初めて、必要があればゆっくりと量を増やしていくべきでしょう。製品によってもCBDの含有量に差異がある場合もあります。新しいパッケージを開封したり摂取方法を切り替える際には注意が必要です。
薬学博士のLindsay Slowiczekによれば「CBDが身体にどう反応するかを知るまでは少ない摂取量で始めるのが重要。臨床試験で様々なCBD摂取について研究がされているが、特定の用途で安全で有効な推奨摂取量を決定するにはより多くの結果や証拠が必要だ」としています。
また「現状は、係り付けの主治医から摂取量を増やすようアドバイスがない限りは製品が推奨する摂取量を守るべきで、肝臓疾患のような特定の健康状態である場合は深刻な副作用を避けるため摂取量は減らすべきだ」と話しています。
摂取量に関して覚えておくこと
CBDを発作疾患の治療に使用する場合は、どの製品でどの程度摂取するべきかかかりつけの医師に相談すること。
多くのCBDオイルは1滴につきおよそ1mg程度。摂取量の増加は簡単にできてしまいます。製品ラベルをよく読み、1滴に含有されるCBDの量を確認してください。
グミもまた標準的な摂取方法です。グミ1粒で大体5mg程度であることが多いでしょう。摂取量を増やす場合などはしっかりと確認を行ってください。
電子タバコ型の吸引を行う場合はちょっと複雑です。どれだけ吸い込んだかと液体の濃度で摂取量が変わるのでご注意ください。
クリームやローションに関しては、最初のうちは控えめに使用するようにしてください。
CBDは違法?
大麻由来のCBD製品でTHCの含有が0.3%未満の場合は、アメリカ連邦政府レベルでは合法とされています。しかし、いくつかの州法でいまだに違法とされている場合があります。マリファナ由来のCBD製品はアメリカ連邦政府レベルで違法ですが、逆にいくつかの州法では合法とされているケースがあります。
(※日本ではTHCの含有された製品の取り扱いは認められていません。THCの含有0%のCBD製品は合法です。)
お住いの州や旅先の州の法律を確認するようにしましょう。アメリカで処方箋無しで購入できるCBD製品は米国食品医薬品局の認可を得ていない製品であり、ラベルの記載内容が実際の製品と異なる場合もありますので覚えておいてください。購入の際には分析結果の提示を求めるなど注意しましょう。
2019年3月19日
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