伝統醸造ビールはリトアニアの保護料理遺産
リトアニアには様々な種類のビールが存在します。ビールに関する知識が豊富な方でも耳にしたことがないようなローカルでレアなビールが豊富です。その中でも特に貴重でリトアニアが保護料理遺産に指定するビール「カイミシュカス」(Kaimiškas)を扱うバーをご紹介。 カウナス市内から車で20分ほどの場所にある「アピニス・ブルワリー」(UAB Apynys)。ビール醸造所でもあり小さなバーも併設されている正真正銘のマイクロブルワリーです。「カイミシュカス」とは地方醸造や田舎醸造といった意味を持つリトアニア語だそうで昔からのビール醸造のレシピを守った伝統的な醸造方法にっこだわったビールを指す言葉です。
カイミシュカスの醸造方法
醸造技術やろ過技術が上がり熱処理を加えなくても生ビールが味わえる時代になりましたが、カイミシュカスはそんな最先端の技術とは無縁。麦汁を煮沸せずフィルターを通さないことで生きたビール酵母をそのまま味わえるまさに生ビールの起源とも言える味わい。 煮沸を行わないことでたんぱく質を多く含んでいるそうでろ過されてないにごりも特徴的。賞味期限も10日間と短くペットボトル入りのビールというのもローカルならではの個性といえます。泡立ちはとても弱く日本のビールとはかなり違った印象を持つのではないでしょうか。

小細工なしの4種類
アピニス・ブルワリーで醸造されているのは4種類のみで、いずれもリトアニア保護料理遺産に指定されています。 「カイミシュカス・アピニス・アルス」(ホップビール)4種の中では最も一般的なホップと大麦麦芽を用いたカイミシュカス 「カイミシュカス・メダウス・アルス」(ハニービール)ホップと麦芽に天然蜂蜜を加えて醸造されたカイミシュカス 「カイミシュカス・ヴィタウト・アルス」(ライ麦ビール)大麦とライ麦の麦芽を用いて醸造されたカイミシュカス 「カイミシュカス・ギラ」(カイミシュカス・クワス)ライ麦の麦芽とビール酵母を用いて醸造されたギラ(英語ではクワス:kvass)と呼ばれ、アルコール1%程度と飲みやすく東欧圏では有名な飲み物。

買ってそのままバーで飲むのもアリ
併設されたバーは室内と屋外合わせて4人組が4組くらいでいっぱいになるような小さな規模ですが小綺麗な印象でした。ちょっとした食事もあるようなのでサクッと行ってみるのも良いと思います。営業時間や臨時休業を設ける本当にローカルな印象だったので、行く前に確認しておきたいところです。
アピニス・ブルワリー(UAB Apynys)

August.2018
by hshmtyshk
Comments