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執筆者の写真Svente 〜リトアニア専門店〜

国家遺産の蜂蜜酒ブルワリー

更新日:2022年11月3日



ミードとは蜂蜜からできるお酒で世界で最も古いお酒と言われています。その昔、倒れた木に蜂の巣があってそこに残っていた蜂蜜が雨に濡れて水と混ざって発酵されていたところを発見したのが始まりだったとか。8000年以上前の話。造り方が広まるまではとても貴重な飲み物だったそうです。リトアニアでは国家遺産に指定されているミード醸造所リエトヴィシュカス・ミドゥス社(Lietuviškas midus)を訪ねました。


 
 

首都ヴィリニュス、第二の都市カウナスからそれぞれ車で1時間ほどのスタクリシュケスと呼ばれる小さな町でリトアニアミードは醸造されています。今回はカウナスからネムナス川(英名:ネマン川)を渡って向かいました。雲が多い天気でしたが雨は降らず雄大な自然を楽しむこともできました。



バルト三国でミードを造っているのはこの場所だけ。国家遺産に指定されているミードもこの場所で造られています。機械化された製造工程ですが細かな品質チェックは人の手でされていました。


リトアニアミードの製造は発酵に3ヶ月、熟成に9ヶ月ほどでおよそ1年をかけて完成し、使われている水は天然のミネラルウォーターを町の地下から汲み上げているそうです。蜂蜜と水にハーブ、すべて国産で特殊な製法を採用してイギリスのエリザベス女王から特許を与えられている由緒あるお酒です。

日本で「ミード」というとアルコール12%前後を想像しますが、リエトゥヴィシュカス・ミドゥスではアルコール度数20%以上のミードも作られていて「ミードネクター」という分類になるそうです。さらに強いものでは蒸留を4回繰り返した「ミードバルサム」という分類もあるそうで、アルコール度数は75%!!ミードバルサムに属するのは1種類だけで"ジャルギリス"という名前のミード史上最強のお酒です。”ジャルギリス"という名前は1410年に行われた戦争のリトアニア語名で、当時世界最強の勢力を誇ったリトアニア大公国を象徴する名前と言えます。リトアニアの国技でもあるバスケットボールで常に優勝争いを演じるチームの名前もジャルギリスで、強さの象徴ともいえる名前です。

そんなアルコール75%のジャルギリスですが、リトアニアでは風邪をひいた時に薬の代わりに飲んだりもするそうで、バーで飲む場合はチェイサーとして12%のミードが一緒に提供されることもあるそうです。

ジャルギリスをショットで試飲させて頂きましたがノドへの刺激が強くて気付けにピッタリでした。セラー管理長のペトラスさんから「2回目は味わいが変わるんだよ」と言われもう一杯。確かに刺激にやや慣れたのかマイルドな印象がありました。ジャルギリスは蜂蜜の他に11種のハーブも入っていて「本当の味を知りたければ11杯飲まないといけないんだよ」と冗談を言っていました。ウオッカも有名なリトアニアだけにミードからスピリッツを作ってしまうのはさすがです。


製造管理長のヨランタさんからは原料について説明して頂きました。蜂蜜とハーブは国産のオーガニックを使用し甘味料や着色料などは一切使っていないといった成分について色々とご説明頂きました。水はリトアニア特有のミネラル豊富な硬水で、スタクリシュケスの地下水を使用しています。国家遺産であり英国エリザベス女王から特許を取っている由緒あるお酒。レシピは長い間変わらず守られているそうです。



続いて輸出責任者のユリヤさんに案内されリトアニアミード・ミュージアムを拝見しました。昔ながらのレンガ造りの建物を一部改装したこのミュージアムでは、リエトゥヴィシュカス・ミドゥスの歩みや設立当時の商品が未開封のまま展示されていたり、かつてミードが飲まれていたグラスなどが展示されています。


中でも興味深かったのは、動物のツノを容器にしてミードを飲んでいたということ。リエトゥヴィシュカス・ミドゥスのロゴマークにある六角形は蜂蜜で角がグラスを表していたんですね。蜂蜜の飲み物ということで会社のロゴになっているそうです。


次に醸造所の敷地内にあるブランドショップにお邪魔すると店長のヴィダさんが出迎えて下さいました。市内のスーパーでも主なミードは購入可能ですが、ここではレアな商品にも出会えたり売り切れの心配もなく全てのラインナップが揃っているそうです。ミード製品以外にもハーブティーや蜂蜜製品なども販売されていました。


ショップに併設されているスペースでは試飲を楽しむことができます。お洒落な容器で様々なリトアニアミードを楽しむことができ、乳製品も有名なリトアニアらしく国産チーズと一緒に試飲しました。今回私がどうしても試飲したかったのはビールのようなビジュアルのアルコール度数6%のミード。まだボトルが無く、造ったものをそのままレストランに提供してタップで注ぐしか飲む方法がなく、取り扱っているレストランもまだそれほど多くない貴重なお酒。飲んでみましたが飲みやすい!ビールの6%はやや強めの印象ですが甘さもあって相当気に入りました。ただ、今はまだ国外へは提供できず、品質や賞味期限の研究を進めているそうです。

写真はありませんが、ゲンドロリス博士の監修で2013年に誕生したミードはアルコール25%。健康食品に使われるビーポーレンが入っていても甘くて飲みやすい。次回訪問時には博士とお会いする機会をつくって頂けるとのこと。薬学業界や自然研究の分野では皆名前を知っている方だそうで、色々とお話しを伺ってまた記事にしたいと思います。

最後にバルケビチュウス社長に各商品について補足説明をして頂きました。味もサイズも多種多様でウオッカが有名な国でこれだけ甘いお酒が伝統酒であることにも驚きました。



帰りは観光地ビルシュトナスの町に立ち寄りました。ミネラルウォーターが湧く地域はリトアニア国内に多数あり、ここでも湧いているそうで保養所が並んでいました。その自然の中をしばらく散歩してから滞在先のカウナスへ戻りました。



April.2017

by hshmtyshk

 
 

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