Svente 〜リトアニア専門店〜

2022年9月2日11 分

"リトアニア・ラトビア・エストニア。バルト三国のどの国に行く?"

リトアニア・ラトビア・エストニアの三ヶ国で構成されるバルト三国。初めての海外旅行で選ぶ人はまずいないでしょうが北欧や東欧が好きな方は旅行先として考えたことがあるはず。バルト三国を含む世界50ヶ国以上を旅した英国女性の記事がとても参考になりそうなのでそちらを翻訳してご紹介したいと思います。

記事に入る前にバルト三国を表で簡単に比較。この記事にたどり着いている方は三ヶ国のうち少なくとも1つはよく知っている国があると思いますが、首都名だけでも全て頭に入れておくと記事が読みやすくなると思います。

ここから本文に入りますが少し注意点を。


 
原文(英文)筆者の個人的な感想や経験で点数を付けているようなので翻訳しながら腑に落ちない点もありましたが、有益な情報も散らばっていますのでバルト三国旅行の参考にしていただければと思います。ホテルではなくホステルを敢えて選び交流を大事にする旅行スタイルのようです。それから事実関係(お店がすでに閉店してたなど)は異なっている可能性も大いにあります。その点もご了承の上で記事をお楽しみください。


"リトアニア・ラトビア・エストニア。バルト三国のどの国に行く?"

リトアニア、ラトビア、エストニアから構成されるバルト三国。北ヨーロッパに位置しバルト海に面した三ヶ国は1990年までソビエト連邦の一部でした。ヨーロッパの南東にあるバルカン半島に属するバルカン諸国と混同しないようにご注意を。
 

“バルト三国ならどの国へ行くべきか”という問いへの最初の答えは“休みを長く取って3ヶ国とも行け。ついでにフィンランドのヘルシンキも行った方が良い”。でも皆がこんな贅沢ができるはずがありません。

私は冬のラトビア、春のリトアニア、夏のエストニアへ行き、いずれも首都のヴィリニュス(リトアニア)、リガ(ラトビア)、タリン(エストニア)を巡りました。

リガは人口63万でバルト三国最大の都市。これはラトビアの人口の3分の1にあたります。ヴィリニュスは54万人で2位、タリンが44万人で続きます。通過はいずれもユーロですが各国の言語は全て異なります。
 

3ヶ国を比較するにあたり下記の様々なトピックで0~3の点数をつけてみました。

・アクセスと交通

・物価

・女性

・男性

・ビーチ

・旧市街

・街や人の雰囲気

・宿泊

・近隣他国への旅行

・食事

・猫カフェ(※筆者が愛猫家の様子)

・総括


・アクセスと交通

タリン空港は都心からの近さが世界7位で都心から空港までたったの5km程度。都心へのバスも€2で所要時間も10分。

リガとヴィリニュスも空港まではとても近くリガからはバスかタクシーのみ。バスで旧市街まで€2で30分、予約したタクシーだと7€で15分要しました。
 

注記:ラトビアの独立記念日にあたる5/4と11/18の祝日はバスやトラムが全て無料とのこと。
 

ヴィリニュス空港は電車、バス、シャトルバスが繋がっています。電車でヴィリニュス旧市街の最寄り駅まで€0.70で7分。事前予約したタクシーだと旧市街まで€4で20分でした。
 

ヴィリニュスにはUber(※アプリで乗れる個人タクシー。日本ではUberEatsが有名ですが世界的にはTaxiが有名。)があり、タリンでも最近始まりました。バスがない場合はUberが最善の選択肢になりそうです。

全空港ともアクセスが良いですが、電車、タクシーがいずれも安くUberもあるヴィリニュスに3点を付けました。

・物価

タリンは物価がずっと高く、船で1時間40分のフィンランドや近隣のスウェーデンからの人々も多く訪れ物価を押し上げています。旧市街の安く飲めるバーでもカクテル7€、ビール€3。リガやヴィリニュスではビール€2と差が出ました。

でもタリンには80'sのエレクトロファンにはたまらないデペッシュ・モードのバーがあり、ノベルティのために500mlのビールに追加料金を払う価値はあるでしょう。
 

リガとヴィリニュスの物価は同等ですが、宿泊費が抑えられたリガをトップに。

・女性

人口に対するスーパーモデルの割合はエストニアがトップ。街やビーチで時間を過ごせばスーパーモデルが多いのも納得。スーパーモデルのカルマン・キャスはその筆頭と言えるでしょう。

・男性

男性がハンサムなのはリトアニア。180cm以上の長身もゴロゴロいます。プロアイスホッケー選手でNHLサンノゼ・シャークスにも所属していたマンタス・アルマリスはモデルとしても活躍しました。

エストニアで見かけたハンサム男性はヘルシンキからの旅行客。リガではリトアニアほど印象的ではありませんでした。

・ビーチ

タリンのピリタビーチを8月に訪れ30℃以上の気温の暑さとビーチの美しさに驚きました。ビーチまでは旧市街からバスでそれほどかからず、海も温かく穏やかで泳ぐのに最適でした。

リガにはリゾート地のユールマラにビーチがあり旧市街から車で45分、電車で35分かかります。ユールマラにはビーチの砂が敷き詰められた森があることで知られています。バーやカフェも多くヨマス通り(Jomas street)も見どころ。行くならしっかり1日取ったほうがよいでしょう。
 

ヴィリニュスにはビーチ無し。バスや電車で片道4時間かかってしまいます。

・旧市街(オールドタウン)

ヴィリニュスの歴史地区、リガの歴史地区、タリンの歴史地区は全てユネスコ世界遺産登録地。リガとタリンの旧市街はよく似ていて、ヴィリニュス旧市街の規模はずっと大きいです。

ヴィリニュス旧市街

全体的に薄暗く沈んだ印象ですが28つもの教会が点在。ローマカトリック教会21、東方正教会4、ルーテル教会1、改革派教会1、東方典礼カトリック教会1。多様な建築様式が並びいずれも入場無料で中もまた美しい。聖アン教会(St. Anne's Church)はオススメ。
 

ヴィリニュスを特別なものにしているのはウジュピスでしょう。“共和国”を自称するエリアでボヘミアンでヒッピーなアートに富んだエリアです。

タリン旧市街

外見はかわいいオレンジの三角屋根やゴシック調の建造物や中世の雰囲気で撮影タイムが多くなりそう。座って休める小さな芝生エリアもたくさんあり、バルト海から流れる風も新鮮。


 

リガ旧市街

ゴシック、北欧、中世、バロック。色んなスタイルがミックスされた印象の街。聖ペテロ教会、スウェーデン門、自由の記念碑が見どころでしょう。

旅のコツ:聖ペテロ教会の最上部には€9で行けますが、同じくリガのラディソンブルーホテルに行けばカクテル1杯で同じ景色が見られますよ。


 

リガとタリンはどちらも伝統的な印象。例えばリガの三人兄弟と呼ばれる建造物はリガで最も古い3軒の家屋。こういうのが好きならリガやタリンをオススメしますが、より大きな規模でウジュピスのような変わりダネも楽しみたいならヴィリニュスがオススメです。
 

どの旧市街にも毎日開催されている無料ガイドツアーがありますよ。

・街や人の雰囲気

中にはバルト三国のことをパッとしない貧しい旧ソビエトの国でしょ、という人もいるかも知れません。それぞれの都市では過去から前進しEU加盟国としてその魅力を宣伝することに努めています。それでもまだ洗練されきっていない不完全さも残っている様子。
 

特にロシア系が人口の27%を占めるラトビアでそれを感じました。ラトビア人はロシアに対して批判的ですがリガのラトビア占領博物館を訪れればその理由への理解が深まるはず。

エストニアでは約24%がロシア系。でもエストニア人は船でアクセスできるフィンランドやスウェーデンの影響もあってか北欧諸国の雰囲気を出したい様子。
 

一方でリトアニアはかなり違います。ロシア系は6%でヴィリニュスではロシアによる占領のことよりユダヤ人の歴史を語る傾向にありました。第二次世界大戦の前、10万人以上のユダヤ人がヴィリニュスに住んでいて当時のヴィリニュスの人口の45%を占めるほどでした。ナチスによる大量虐殺やソ連による45年間にも及ぶ占領でユダヤ人はほとんど消えてしまいました。
 

バルト三国は流行の発展途上国とも言えて若くて芸術的な雰囲気も感じられます。ヴィリニュスにはウジュピスがあり、タリンにはテリスキヴィがあり、古い工場などを改装してカフェやストリートマーケットにしています。

・宿泊

やはり旧市街の近くへの宿泊がオススメ。主要な電車も通って観光地も集まっています。

リガではシナモンサリーホステルがベスト。小さくて交流も多く、旧市街のすぐ近くで何より安い。リガには最上階から街が一望できるラディソンブルーホテル、ブティックホテルのネイブルクスホテル、ドームホテル&スパなど良いホテルもありますが高い確率でロシアの寡頭政治支配者を見かけることでしょう。

ヴィリニュスではジミージャンプハウスに滞在しました。広くて交流の場もあるホステルで朝食のワッフルが無料なのも嬉しい。40歳以下の若者をターゲットにしたホステルの様子。ヴィリニュスはリガやタリンに比べるとホステルの選択肢が少なく、旧市街にはシェイクスピアの著書からの引用文が飾られたシェイクスピアホテルなど高級なホテルもありました。

タリンではタリンバックパッカーズに滞在。知人のススメで行ったものの当日担当した新人スタッフが無知過ぎてちょっとがっかり。6ベットのドミトリールームは小さくバスルーム(トイレ)も多くはありません。

パブがあるモンクズバンクホステルにも足を伸ばしたものの、その日はひどいパーティーホステルと化していて担当スタッフの印象も悪く、こうしたホステルはその時のスタッフで印象や評価が大きく変わるでしょう。

タリンにはホステルが多く安くてアクセスの良いのも見つけやすいはず。私の否定的な経験がタリンにがっかりした印象を持ってしまいました。知人からオススメを聞いたり、複数で泊まるならAirbnb(民泊)の方が良いかも知れません。

・近隣他国への旅行

バルト三国を訪れている最中に近隣の他の国へ一泊訪れたくなることもあるかも知れません。

タリン
 

タリンからヘルシンキまでフェリーで行きました。タリンのフェリー港は旧市街から歩いて行ける距離。バイキングライン社の船で数週間前に予約、片道€21で1時間45分。一日5便のみですが他のフェリー会社もあります。ヘルシンキ日帰りも可能ですがスオメンリンナの要塞を見るために一泊はすることをオススメします。


 

ヴィリニュス

ヴィリニュスはベラルーシのミンスクへのアクセスが良いです。定期的に電車やバスも通っていて、バスなら€11で3時間45分。しかしながら、ベラルーシはEU圏内ではなくしばしば「ヨーロッパ最後の独裁国」と称される国。渡航にはビザが必要になるケースが多いでしょう。その代わりに、国内にあるシャウレイ地方の十字架の丘を訪れることをオススメします。


 

リガ
 

バルト三国の間に挟まれたラトビアから簡単に行ける他国はありませんが、ケメリ国立公園とガウヤ国立公園はリガからそれほど遠くないでしょう。


 

・食事

バルト三国の伝統料理は大麦やジャガイモのダンプリング(餃子のように包んだ食べ物)が有名です。
 

リガのバーならどこでも飲めるブラックバルザムは必ず抑えておきたいお酒!ハーブやウォッカを使った伝統的なリキュールでアルコールは45%以上と強めです。ショットで飲むとすぐにハーブの香りが広がりました。このショットの後はビールの飲むのが定番です。
 

リガの伝統料理ならフォーククラブ・アラ(Folkklubs Ala Pagrabs)というお店がオススメ。ビールのラインナップがリガ最多でタップでも28種が用意されています。
 

リトアニアでは伝統料理ツェペリナイが人気。ひき肉とサワークリームをジャガイモで包んだダンプリングです。豚の耳も伝統料理として知られていてヴィリニュスのバーではおつまみとしてよく見かけます。リトアニア伝統料理ならヴィリニュス旧市街のフォート・ドバラス(Forto Dvaras)がオススメ。

タリンはバルト海に面していることもあってシーフードがオススメ。フィンランド料理の影響を受けた料理も見られます。エストニアで人気のカマは大麦、ライ麦、オーツ麦、えんどう豆の粉末を炒って牛乳やバターミルクを凝固させたものやマスカルポーネ(クリームチーズ)を混ぜてドリンクにしたりボール状にした食べ物です。
 

どれも美味しいバルト三国の料理ですがヴィリニュスが最も楽しめました。見た目は脂ぎっていますがリガ料理ほど脂っこくなく、タリンのシーフードは美味しかったですが一般的で特別感は少なかった印象です。

・猫カフェ

私は愛猫家です。リガは猫カフェがあったのですが現地の人にも人気だったのに突然閉店してしまったようで残園でした。
 

ヴィリニュスには“カチュ・カヴィネ”という猫カフェがあり15匹の猫がいます。猫カフェでは猫が集まって寄ってくることはなく向こうから近づいてくるのを待たなければいけません。追いかけて捕まえるのもいけません。

タリンにも“ヌリ”という猫カフェがあります。ヴィリニュスほど告知や広告には力を入れていない印象。入場料€5で他のタリンのカフェに比べるとやや高いですが猫カフェを求める者にとっては関係ありません。

・総括

ご覧の通り合計ではヴィリニュスがトップでした。街も大きく交通の便も良く”ウジュピス”のような斬新な雰囲気もあったためでしょう。

各都市の利点をまとめるとこんな感じ。是非バルト三国旅行のご参考に!


引用元:"Which Baltic country should I go to? Latvia, Lithuania or Estonia" by Far Fran Home

2017年6月25日

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